主にイワナ釣りをご紹介します。
一口にイワナ釣りと言っても人それぞれいろいろな釣り方がありますが、 私が30年間で知り得た知識と経験をもとに、単に釣りだけでなく散策も含めた渓流の楽しみ方を、 釣りの経験があまりあるいは全くない皆様にもわかりやすくご披露致します。
自然破壊の影響で天然のイワナは希少種になりつつあります。
自然保護必要性を理解しつつマナーを守って渓流釣りを楽しみたいと思います。
その1・・・当日の釣り目的にあった川(釣り場)の選定
〇釣り人の体力、レベル、与えられた時間。
〇二次的要素の有無(渓相、山菜、野草観察、木の実、キノコ、景色)
その2・・・仕掛の選定
〇川の状況(川幅・水深・水量・障害物)によって選択
竿の長さ、硬さ、仕掛の長さ、ハリス、針、オモリ、目印、エサを選定する
その3・・・ポイントの選定(何度も入った川でもその日によって川の表情が変わります)
〇数カ所で試し釣りをする。(浅瀬、深み、落ち込み、瀬尻)
浅瀬、瀬尻であたりが出ると大釣り(俗に言う大漁)の予感。場荒れしていない。
参考に2003年の7月の仕掛を説明し紹介致します。
釣り竿 | カーボン小継ぎ硬調5.4m カーボン竿は軽く疲れない。欠点は竿先が折れやすく少々高い。 イワナは習性として非常に敏感で警戒心が強いので釣り人の姿が見られないように 5.4m以下は使いません。 |
仕 掛 | 道糸1.5号 約50㎝、ハリス1号 約60㎝、釣針渓流7号以下、目印は原始的な矢印の 三つ穴、仕掛全長約120cmの提灯釣り。 ハリスは細い(0.6~0.8号)方が少しだけ有利だが、浮かせ釣りの場合は大差ない。 オモリを付け底を探る場合は太いと自然に流れないので細いほうが良い。 今回は草木、 蜘蛛の巣の障害物が多くまた、提灯釣りで大型も出そうでハリスに負担がかかるので 1号を選択。 釣り針はエサが川虫(カゲロウの幼虫)1匹チョン掛けで小さい(1cmもあれば大きい ほう)ので針はエサに合わせて小さめにした方が自然に映る。 |
オモリ | 今回は無し オモリを付けないと、イワナ釣りの経験が浅くとも水面にエサを落とす(自然に落ちて きた様にイワナから見える)だけなので流れに流し易い。 ポイントの少しぐらい外にいるイワナでも自然感があればイワナから飛びついてくる。 水中よりイワナが飛び出してエサに食らいつくのが見えて迫力がある。 欠点としては竿の出し入れに竿先に仕掛が絡まり易い。 |
エ サ | 一般に言われている川虫(カゲロウの幼虫、数種類) 飛んでいる成虫でも良い。また、この時期アブの飛来に悩まされるが、そのアブも良い エサである。 ぶどう虫は川虫と比較すると若干劣るが場合によっては良く釣れる。 若干高いのが難点。 疑似餌は使いません。敬愛するイワナに対しては本物のエサで勝負と言うのが持論です。 その他毛虫、小さい青カエルなどでも釣った経験があります。昆虫ならなんでもよいようです。 |
合わせ | 当りが来たら合わせです。これが結構難しいと思います。私も1割ぐらいはばらします。 イワナの習性として、すぐには飲みこません。基本的には当りが来たら竿を送り込み道糸を ゆるめ抵抗を無くしてイワナに警戒心を起させずにまた流れ等でパン食い競争状態であるため ゆるめて食べやすくし、タイミングを遅らせ強めに合わせます。(ヤマメは別) また、エサによって合わせるタイミングも変わります。ミミズは遅く、川虫は早目。その上 警戒心の度合いもサイズに比例し、擦れ状態も考慮します。大きいイワナは生き延びる途中で 生活の知恵で擦れて来ます。これらは経験を積んで行けば体が勝手に反応する様になります。 |
リリース | イワナは水が綺麗で冷水を好みます。鱗はなく表皮は特殊な粘膜で被われています。 釣り上げた時人間の手で直接触れると人の体温で大火傷をし、大事な粘膜をも損傷し 放流しても病気にかかってしまいます。リリースする場合は手袋をして触るか、水中で 手の温度を下げて釣り針をすばやくはずして放流してください。 |
服 装 | イワナに悟られない様目立たない色のもの、また虫さされ、藪でのかぶれ、転倒時の保護も 含めてなるべく体を被うようなものを着てください。 渓流は水の流れ、石ころ、岩、藪、虫さされ、かぶれなど危険も多いので慎重なつりで 楽しんでください。時には熊も出ます。 |
庄内の渓流は毎年10月1日から翌年の2月末まで禁漁期間となります。
沢山のイワナと会えますように。